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知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年5月12日

4月までの資金動向

4月の投資信託の資金動向を振り返った。国内籍のファンドは流入超過で、米国株やグローバルの株式を投資対象としたファンドが資金を集めた。​また、これまで人気であったイノベーション関連、ESG関連のファンドから資金の流出が見られた。いずれも、長期的視野に基づく分野に投資するファンドであるため、投資も長期的投資のスタンスで行うことを推奨したい。​

グラフ1

2022年1~4月の日本国内の投資信託市場には、資金が集まりました。4月単月でも国内のファンドは流入超過でしたが、投信の国籍別に見ると、米国籍ファンドは流出超過に転じました。なお、国内で販売されている、米国株を投資対象としたファンドには資金が集まっています。

I. 引き続き資金が集まった国内公募株式オープン投信
2022年4月の国内の投資信託市場の資金フローは、リッパーの推計で、上場投資信託(ETF)以外の公募株式オープン投信には単月で3,632億円の純流入。流入超過は17カ月連続です。ETFを含めた集計では3,568億円の純流入で、28カ月連続の流入超過となりました。純流入額はETFを含めた集計の方が少なく、ETFから資金が流出したことがわかります。

グラフ1は、データをさかのぼることができる2003年以降、年ごとに資金動向を比較した1~4月の累計です。

日本銀行が「量的・質的金融緩和政策」の導入を決定したのは2013年4月で、翌2014年10月に同政策を拡大。以後、ETFへの資金流入は高水準で推移していましたが、金融政策は2021年3月に見直され、今年はETFへの資金流入減少が顕著です。
 

II. 主要な投資対象に資金が集まる
次は、リッパーの投資対象別分類ごとの資金フローです。今年1~4月の累計では、残高が大きい主要な分類に資金が集まりました。グラフ2で、純資産総額上位10分類をご紹介します。

グラフ2

米国やグローバルの株式投信が多額を集める一方、「債券型 日本円」は、純流出282億円で、残高上位10分類の中で唯一の流出超過。4月までのうち、1月と2月の累計で685億円もの純流出でした。3月には純流入に転じ、4月までの2ヵ月で403億円の純流入となりました。

残高上位10分類には入っていませんが、ほかに純流出額が大きかった分類は、「リート型 グローバル」や「債券型豪ドル」。両分類とも4月までの流出超過額累計は、約400億円でした。世界的な金利上昇傾向で、影響を受けやすい投資対象から資金が流出している様子がうかがえます。

III. 個別では、一部のテーマ型ファンドから多額流出
個別のファンドについて、今年1~4月累計の資金フローを集計したところ、ラップ口座内のスイッチングがあったと推測できる動きが見られました。純流入額、純流出額のそれぞれ上位5銘柄は、表1の通りです。

表1

気になったのは、純流出上位にランクインしたテーマ型ファンドです。

純流出3位の「グローバル・プロスぺクティブ・ファンド」は、破壊的イノベーションを起こすと期待される企業の株式が投資対象。2019年6月に設定され、半年間で2019年の年間純流入額3位に輝いたファンドです。

5位の「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、2020年7月に設定されたにもかかわらず、2020年の年間純流入額1位に輝きました。しかも、同年の純流入額は7904億円で、2位と倍以上の開きがあったほど、多額を集めたファンドです。

銘柄選定にESGをはじめ持続的成長を評価要素として取り入れる事がスタンダードになりつつあります。しかしその一方で、ESGは一過性のテーマ型ファンドと捉えられ、短期的な投資対象と認識されてしまうこともあるようです。イノベーションやESGは、長期的視野に基づく投資テーマと考えられますので、短期的流出を見るのは残念ではありますが、今後、長期的な視点で評価されることを期待しております。

IV. ファンドの国籍別資金動向
最後に、国籍別の資金動向をご紹介しておきましょう。グラフ3は、株式市場の時価総額上位10の国・地域における、2022年3月と4月の資金フローです。

米国籍ファンドが4月に純流出に転じました。なお、米国籍ファンドは純資産の規模が大きいため、資産の動きも大きくなりがちな点には留意が必要です。

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